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「とりあえず」で済ませないためのビール豆知識


「とりあえず」で済ませないためのビール豆知識
「とりあえずビール」で始まる宴席は多いものですが、炭酸が胃を刺激して食欲が増すので、最初にビールを飲むと料理も美味しく感じられて盛り上がることでしょう。お酒の強い人はその後だんだんとアルコール度数の高いお酒に変えていき、ビールは食前酒のような扱いになってしまいがち。ところが最近はクラフトビールの人気もあり、ビールそのものを楽しむ人も増えてきています。
ビールについてもっと知って、もっと美味しく楽しみませんか?

イギリスのビールがぬるくてキレがない理由

日本ではすっきりとしたラガータイプのビールが主流なので、ビールにあまり関心がない人はそれがビールだと思い込んでいますが、ビールの本場イギリスではラガー以上に愛されているのが、エールというビール。
エールの原料は大麦麦芽で、酵母が麦汁の上面に浮き上がる上面発酵で20℃前後で短時間に発酵させて作ります。この温度によって酵母は独特のフルーティな香りを生みだし、エール独特の存在感を感じさせてくれるのです。
日本ではビールは冷やして飲むイメージが強いせいか、初めてイギリスでエールを飲むと「ビールがぬるい」と驚く人が多いようですが、それは発酵の温度がラガーと比べると高く、その後もキンキンに冷やす習慣がないからなのです。種類にもよりますがラガーに比べるとエールは苦みが少なく、穀物の味がより強く感じられ、重厚で甘味が感じられます。ラガーのようにがぶ飲みせず、少しずつ味わって飲むのがふさわしいビールかもしれませんね。

日本のビールはラガーが主流

かたやラガーは世界的に見ても主流と言えるビールで、エールが一時期人気を失った時期があるほど。ラガーの原料も大麦麦芽ですが、酵母が麦汁の下面に沈む下面発酵で10℃前後という比較的低温で、長時間かけて作られます。エールが泡が少なく甘味と旨みがあるのに比べ、ラガーはすっきりとしたキレのある味と爽やかな苦みがあり、日本人の好きなのど越しの良さが強調されています。
ラガーの味は酵母の種類によるもので、低温で活動が可能な酵母を使うことから生まれます。この酵母はエールのようなフルーティーさを生み出さないため、エールに比べるとラガーは香りを楽しむというより、清涼感を楽しむといった仕上がりになるのです。

自然酵母を使った自然発酵ビールも

もう一つのジャンルとして自然発酵ビールというものもありますが、こちらはベルギー発祥で更にレアな印象です。空気中に存在する野生酵母を使用して発酵させるのですが、パンでいう天然酵母のようなもの。ビールには強い酸味が生まれ、個性的な味を展開しています。

クラフトビールの流行からエールにも注目が

日本でもあまりポピュラーではなかったエールですが、ここ数年小さな醸造所で作られる地ビールであるクラフトビールの流行により、エールの人気もじわじわと広がりつつあります。エールには色が薄いペールエール、キャラメルのような香りがするレッド・エール、色が濃く甘みのあるブラウン・エール、苦みの強いスタウトなど個性豊かなものが多く、いずれもアルコール度数も低めなので、味を楽しみながらじっくりと飲むのがよいでしょう。

記事まとめ

最近はクラフトビールを置くバーや居酒屋も増えてきて、エールの味に接する人も増えています。キレやのど越しの良さによって、から揚げなど脂っこいおつまみとよく合うラガーと比べ、エールはもっと繊細な料理にも合うビールなので、合わせる料理によって選び分けるとよいでしょう。ところでエールのアルコール度数が低めなのは酵母のせいなどではなく、イギリスの課税がアルコール度数によって決まっているからだそう。
ビールは飲みたいけれどアルコールに弱いという人や、おつまみのカロリーを気にしている人は、あっさりした料理にも合うエールをカクテル感覚で少しずつ飲むのがよいかもしれません。

参考サイト

http://www.suntory.co.jp/customer/faq/005520.html
http://www.brewers.or.jp/
http://www.sapporobeer.jp/book/manufacture/page2.html

カテゴリー:お酒コラム

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